イタリア史を深掘りしたい人にオススメのマンガ

惣領冬実マンガチェーザレ全13巻画像
惣領冬実マンガチェーザレ全13巻画像

どうも!babytoyです。

今回は世界史の中でもイタリア史を詳しく知りたい、イタリアの歴史を深掘りしたいと考えている人に向いているマンガをご紹介します。

その名も『チェーザレ』!!

このマンガに出会うまでチェーザレ・ボルジアって人が誰?なのか知らなかったのですが、本屋でパラパラとめくってみたときに、直感で面白そうだと思って衝動買いしました。

画風は少女マンガのようですが、内容は政治的駆け引きであったり大人向けな本だなぁと印象があります。

今回はそのマンガチェーザレの簡単なあらすじをご紹介していきます。

↓amazonのkindle本へのリンクです。

チェーザレ(1) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(2) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(3) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(4) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(5) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(6) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(7) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(8) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(9) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(10) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(11) 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(12) 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
チェーザレ(13) 破壊の創造者 (モーニングコミックス)

※この記事のトップ画像の本は12巻までしかありませんが、全13巻完結です。

チェーザレ 1

1491年11月。ピサのサピエンツァ大学に一人のフィレンツェ人が転入した。名前はアンジェロ・ダ・カノッサ。イタリア一の教授陣を誇る大学内は各国の学生がそれぞれに団を作り互いに競い合っていた。アンジェロは彼の入学を支援してくれた恩人の次男、ジョヴァンニ率いるフィオレンティーナ団に入るが、世間知らずな性格から失敗し、ジョヴァンニを怒らせてしまう。仕返しに荒馬に乗せられたアンジェロは暴走を制御できず崖下に落ちそうになるが、すんでのことで助かる。助けてくれたのはスペイン団団長のチェーザレ・ボルジアだった。その事件をきっかけに、アンジェロはチェーザレに乗馬を習うことに。チェーザレと腹心のミゲルは、大胆な発言をするアンジェロに興味を持ち、彼が起こす事件を楽しみながら、助けてくれていた。ある日二人が住む大司教邸に呼ばれたアンジェロは、チェーザレの複雑な生い立ちを知る。枢機卿の庶子という生まれ、父親による過酷な英才教育、そのため母と引き離されて育ったこと。そしてミゲルもまた孤児という境遇を抱えていた。自らも母を早くに失い、仕事気質の祖父に育てられたアンジェロは親近感を覚えるとともに、兄弟のような二人に憧れを抱く。やがてアンジェロは、ピサが単なるのどかな海港都市ではないことを知る。地中海貿易の重要な拠点の一つであり、大都市フィレンツェの海運上の要でもあった。それゆえに、街の支配を巡り様々な策略、陰謀が陰で渦巻いていた。特にピサの大司教ラファエーレ・リアーリオとフィレンツェ、そしてピサの実質的支配者ロレンツォ・デ・メディチには因縁があった。パッツィ家の陰謀事件である。メディチ家のライバルであるパッツィ家がロレンツォとその弟を襲い、弟は暗殺。ロレンツォ自身も大けがを負ったが、大司教ラファエーレもその首謀者の一人だった。さらに大学にはメディチ家の反対勢力ドメニコ会の学生が大勢いた。つまりピサはメディチ、リアーリオ、ドメニコ会による三つ巴闘争の場であり、だからこそチェーザレは父の命でピサに派遣されていたのだった。

Virtu1 ピサの風
Virtu2 荒馬
Virtu3 無頼
Virtu4 嵐への予兆
Virtu5 熟した実
Virtu6 対岸

チェーザレ 2

ピサの大学生活に慣れてきたアンジェロ。ピサを巡る大司教、メディチ家、ドメニコ会の三つ巴の対立構図も覚えた。そんな彼にチェーザレはピサの本当の姿を見に行かないかと誘う。深夜、対岸へと向かう二人。そこはドメニコ会が支配する危険地帯、キンツィカ地区だった。荒廃した左岸は無人の廃墟が立ち並び、路上には死体が転がっている。用水路には溺死した嬰児が捨てられ、ボロ布をまとった貧民が教会から施された残飯を漁っていた。華やかな右岸とかけ離れた惨状にアンジェロは動揺を隠せない。餓えながら、働く術も知らず、生き地獄をさまよう人々。だがそれは、ピサに限った光景ではなかった。戦乱の渦中にある悲惨な世界。その元凶は腐敗した教会組織の頂点、ヴァティカン教皇庁だった。そしてチェーザレはそれを変えるため、枢機卿就任を密かに希求していることを告白する。その頃、当のヴァティカンでは教皇の死期が迫っていた。枢機卿たちは次期教皇選挙に向けて策略を練り、聖都は緊張に包まれていく。対立が激化する父ロドリーゴとライバル、ジュリアーノ。ピサ大司教ラファエーレの煮え切らない態度に業を煮やした彼は、密偵にチェーザレの暗殺を命じる。そしてロドリーゴはピサの地盤を固めるべく、チェーザレに密命と大量の砂糖を託すのだった。ジェノヴァ出身の船長クリストーバル・コロン(コロンブス)から砂糖を受け取ったチェーザレはピサ大司教の懐柔に向かう。彼のジュリアーノに対する敵意を利用したチェーザレは、甘い言葉と贈り物で難なく味方につけ、ピサ大学の教授資格(卒業証明)も同時に手に入れた。次なる父の命を果たすため、花の都フィレンツェにロレンツォを訪ねるチェーザレ。メディチとボルジア両家共通の望みは、ピサの情勢安定とジョヴァンニの枢機卿就任である。そのためチェーザレは、ピサ大司教の和睦と、織物工場の建設計画を提案する。会合は無事成功。悦に入ったロレンツォはチェーザレに一人の不思議な男を紹介する。彼の名はレオナルド・ダ・ヴィンチ。チェーザレは彼の不思議な問答にすっかり弄ばれるが、その才知に興味を抱く。広場ではドメニコ会修道士サヴォナローラの演説に市民が熱狂していた。チェーザレは彼の独善的な正論に殺意を抱きながら、平和な都を後にした。

Virtu7 対岸2
Virtu8 支配者
Virtu9 ヴァティカンの魔物
Virtu10 神曲
Virtu11 神に選ばれし者
Virtu12 光と闇
Virtu13 プリマヴェッラ
Virtu14 巨匠(マエストロ)

チェーザレ 3

現教皇の死期が近づき、聖都ローマのヴァティカンでは枢機卿たちによる次期教皇選に向けた工作が始まった。チェーザレは父ロドリーゴのために、織物工場の建設を計画する。現在ピサの勢力構造は、メディチ家、ピサ大司教、ドメニコ会の三つ巴状態。チェーザレはメディチ家のジョヴァンニを表向きの責任者とし、ピサ大司教に対し、工場建設成功の暁にはその功績を理由に、枢機卿就任の条件である大学の卒業資格を彼に出してほしいと提案。これによりメディチ家は念願を果たし、ピサ大司教は工場建設によるピサの活性化で利を得る。そしてボルジア家はロドリーゴへの確実な二票を手に入れることになる。だが両者の接近はドメニコ会にとって脅威であり、また工場の建設予定地はドメニコ会が管轄するキンツィカ区であったことから、その敵意はいやが上にも増していく。その頃、大学でも勢力間の衝突が起こっていた。大学には様々な国から学生が集う。学生団の力関係はそのままヨーロッパ諸国・地域のそれと重なる。日頃から自分たちこそがキリスト教信者の王の民だという誇りを持ち、スペインやイタリアを批判していたフランス団アンリがチェーザレの不在を機に暴走。フィレンツェ支配下の大学ながら、フィオレンティーナ団は力弱くただ恐れるばかり。結局、帰還したチェーザレが闘牛士さながら彼を退治したが、フランス団の恨みは深まり、同時にチェーザレがマリア像の試作品を破壊したことで、ドメニコ会の学生も密かに敵意を強めていた。工場建設が始まり、チェーザレはアンジェロを現場責任者に推薦する。アンジェロは工事の進捗を欠かさず報告すると素直に約束するが、それを知りミゲルは「チェーザレをあまり信用するな」と忠告する。そんな中、チェーザレに近づく人物がいた。ニッコロ・マキァヴェッリ。ドメニコ会修道士として神学部に在籍しているが、実はロレンツォがピサ大司教とドメニコ会の動きを探るため派遣した密偵だった。ニッコロは自分が知りえたドメニコ会の内情と引き換えに、ピサ大司教の情報をもらえないかと持ちかけ、チェーザレは警戒しながらも彼と密約を交わす。彼の情報からロレンツォが長くないと知ったチェーザレは、フィレンツェが安定している間にメディチ家とピサ大司教の和睦を確立するのが得策と考え、フィオレンティーナの学生の身元を洗うとともに、次なる計画に着手した。

Virtu15 水面下
Virtu16 衝突
Virtu17 ミノタウロス
Virtu18 異文化
Virtu19 喝采(アップラウディート)
Virtu20 新天地
Virtu21 認められざる者
Virtu22 陰翳
Virtu23 交錯
Virtu24 背信

チェーザレ 4

聖都ローマではチェーザレ最愛の妹、ルクレツィアの婚約準備が進む。結婚は政治的同盟の証。チェーザレ達の父ロドリーゴの愛人ジュリアは権力者との結婚こそが女の幸せと説くが、政治の大局に巻き込まれてゆく妹は一人、兄との約束を思い出す。その頃ピサではチェーザレ暗殺を狙う刺客がついに城壁内に潜伏。チェーザレは父の次期教皇選の勝利、教皇就任に向け、着実に策を実行していた。鍵はピサ大司教ラファエーレとピサを実質的に支配するメディチ親子の和睦である。そこでジョヴァンニ・デ・メディチに織物工場建設を勧め、その責任者にアンジェロを推した。職人の祖父を持つアンジェロは大工の親方達とも早くに打ち解け、予想以上の働きをする。責任ある仕事に充実を感じるアンジェロ。工事は順調に進み、完成を目前に控えていた。ところが風の強い夜、焚き火の消し忘れを案じたアンジェロが見回りに出かけると、そこには黒い僧衣を着た怪しい人影が。暗闇の中、やがて影達は建設途中の工場に放火。工場は全焼してしまう。全身を覆う黒い僧衣はドメニコ会の印。ジョヴァンニはメディチへの恨みからの犯行と疑う。だがチェーザレは密かにニッコロと接触し、ドメニコ会内部に不審な動きがなかったこと、さらにロレンツォの病状が悪化していることを知る。ピサ大司教とメディチ家の和睦実現のために残された時間が少ないと知ったチェーザレは、ジョヴァンニをピサ大司教邸での晩餐会に招待する。会食は表面上の和解を実現するが…。一方アンジェロは「チェーザレをあまり信用するな」というミゲルの言葉がずっと胸にひっかかっていた。工場放火時のことを詳しく聞きたいというチェーザレを訪ねると、彼の身を案じたのか短剣とその使い方を教えてくれる。これは好意なのか、それともただの利用価値への評価なのか。他方チェーザレも、アンジェロが工場の落成を急いだ理由が貧民を過酷な冬から守るためだったと知り、少しずつ彼への見方が変化していた。数日後、真犯人のもう一つの手がかりであるコンパッソを持った男の死体が河にあがる。残る手がかりは右肩の火傷。それを知ったチェーザレはアンジェロの服を借り、護衛をまいて祭りで賑わう街中へ飛び出した。強引なチェーザレに振り回されながらも、二人だけの冒険は楽しく進む。だが、祭りの喧騒に紛れ、いつ刺客が襲うとも限らない状況。ミゲルをはじめスペイン団は大捜索網を張るが…。

Virtu25 ルクレツィア
Virtu26 兄妹
Virtu27 約束
Virtu28 継承する者
Virtu29 火種
Virtu30 優雅なる調べ
Virtu31 知(サピエンツア)と理(ラジヨーネ)
Virtu32 冒険
Virtu33 祭り(フエスタ)
Virtu34 影

チェーザレ 5

ピサで祭りが催されている。そう聞きつけたチェーザレは、アンジェロを祭りへと連れ出す。折しもピサにはチェーザレ暗殺を狙う刺客が潜伏していた。チェーザレの身に迫る危険。大捜索を始めるスペイン団だが、チェーザレはアンジェロに借りたトスカーナの服に身を包んで変装していた。ピサの人々に紛れる二人の捜索は難航する。その頃チェーザレ達は閣下達と合流していた。自分よりチェーザレと懇意にしているアンジェロに苛立つドラギニャッツォは、工場の火事はアンジェロが手柄欲しさにやった自作自演ではと因縁をつける。落ち込むアンジェロの側に一人残るチェーザレ。やがて彼は祭りに連れ出した本当の理由を告げる。自分の跡をつける影。彼は自らの身を囮にその正体を暴こうとしていたのだ。「片をつけてくる」そう言い残し走り出した。首尾よく男を捕えたチェーザレは黒幕の正体を問い詰めるも、訓練された刺客は易々とは口を割らない。追い詰められた男の手には毒針が。その瞬間、駆け付けたミゲルはチェーザレの危機を察し、思わず刺客にとどめを刺してしまう。情報を得る前に男を始末したことで苛立つチェーザレ。だがフランチェスコはアンジェロに、もしチェーザレの身に何かがあればスペイン団全員がボルジア家に責任を取らされただろう、と告げる。護衛も付けずに二人だけで祭りを楽しむことなど、彼の人生には二度とないことなのだ。常に人に囲まれながら、その実、ひと時も自由のない人生。アンジェロは細工箱を彼に贈る。それはチェーザレにとって初めての他意のない贈り物であり、二人だけの冒険の記念だった。大学恒例の模擬戦が近づいていた。各国ごとの学生団を以北軍と以南軍の二つに分け、騎馬戦を行うのだ。以北軍の総大将はボルジア家の政敵一派、フランス貴族のジャン・バリュー。以南軍の総大将はチェーザレ。フランスとスペインはイタリア、ナポリの覇権を争う仲。すなわちこれはヨーロッパの政争の縮図なのだ。当日、スペインの軽装騎兵がフランスの重装騎兵を翻弄し、次々と落馬させていく。最後はアンジェロの前に幸運の女神がほほ笑み、以南軍を勝利に導いた。模擬戦が終われば、チェーザレが学生でいられる時間もあとわずか。卒業すれば彼を待つのは模擬ではない、本当の政争。全てが教皇選に向けて動き出す中、別れの季節が近づいていた。

Virtu35 兆候
Virtu36 罠
Virtu37 成すべきこと
Virtu38 冒険の記念
Virtu39 重装か軽装か
Virtu40 以南軍
Virtu41 模擬戦1
Virtu42 模擬戦2
Virtu43 模擬戦3
Virtu44 青空

チェーザレ 6

模擬戦に勝利したチェーザレはその喜びを味わう間もなく、ボルジア家の後継者の身でありながら危険な試合に参加したことを咎められる。ボルジアは武門の家系。その血を自覚するチェーザレは反論するが、聖職者の身で武芸に長ける必要はないと説得される。自分の立場は自覚しつつも不満を隠せないチェーザレに、お目付け役のフランチェスコは一抹の不安を抱く。その頃アンジェロは試合後の水浴びをしていた。勝利に沸くスペイン団とフィオレンティーナ団。ともに戦ったことで両団の間には以前よりも打ち解けた雰囲気が生まれていた。だがそんな中アンジェロは、親友ロベルトの肩に傷を見つけてしまう。真新しいその傷をロベルトは模擬戦で負った打ち身の跡だとごまかすが、アンジェロは火傷の跡であることに気づく。それは未だ犯人が見つかっていない工場の放火犯についているはずのもの。まさかロベルトが…。そして祝勝会の最中、アンジェロは当のロベルトから話があると呼び出される。そこで聞かされたのは、ロベルトのメディチ家への裏切りだった。ロレンツォ・デ・メディチの病状は周囲が想像しているよりも進行し、死期が近づいていた。だが跡継ぎのピエロでは求心力が足りず、フィレンツェの政情は不安定だと考えたロベルトは、より大きな拠り所を求めて敵方と接触していた。恩あるメディチへの裏切りをアンジェロは非難するが、ロベルトは貴族でもなく、財力もない市民の生きる知恵だと開き直る。だが裏切り者はロベルト一人ではなかった。チェーザレの仕掛けた罠にかかったのは、ジョヴァンニの腹心ドラギニャッツォだった。早くに彼を怪しいと睨んだチェーザレは、アンジェロを囮に彼の自白を誘導しようとした。すべては計画通りだった。だが、死にかけたロベルトの最期の凶刃がチェーザレに向けられ、庇ったアンジェロはその胸に剣を受ける。そして逃げたドラギニャッツォを生け捕りにすることも叶わず、黒幕の正体はわからずじまいだった。大司教邸に戻ったチェーザレはすぐにアンジェロの手術を準備させる。ミゲルはアンジェロを囮につかったことでチェーザレを責める。その時は反論したチェーザレだったが、彼もまた内心では自分のために身を捧げたアンジェロを以前より近くに感じていた。チェーザレ暗殺に失敗した黒幕ジュリアーノは激怒し、次の手段を講じていた。一方息子の身が危険にさらされたことを知ったロドリーゴも、怒りを露にする。二人の怒りが教皇選に向け聖都ローマをさらに緊迫した空気で包む中、キリストが生まれた聖夜を祝う降誕祭が始まる。

Virtu45 不協和音
Virtu46 背後の敵
Virtu47 それぞれの闇
Virtu48 主よ願わくば魂を
Virtu49 アランチャ
Virtu50 二人のホアン
Virtu51 ささやかな自負
Virtu52 憧憬
Virtu53 盟友

チェーザレ 7

1491年、聖夜。チェーザレは司教としてジョヴァンニ、ピサ大司教ラファエーレらと共にピサ大聖堂で行われるミサに臨んでいた。一方ローマでは病床の教皇の代理でロドリーゴがミサを司式したことにジュリアーノが激怒。次期教皇選に向け対立が激化していた。ミサを終えたチェーザレは大聖堂祭壇正面にある霊廟の前で一人、物思いに耽っていた。そこに祀られているのは神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ7世。そして霊廟を作らせたのは『神曲』を書いたダンテ。神の身許であり教皇派の聖域である聖堂に、なぜ対立する皇帝派の長である皇帝が祀られているのか。教皇派であるはずのダンテはなぜ皇帝を支持するようになったのか。かつてチェーザレはその謎を当代随一のダンテ学者であるランディーノ教授に問うた。今から200年前、政争に破れフィレンツェを追放されたダンテは、真の統治者とは何かを模索し流浪の旅を続けていた。その中で出会ったのが賢帝の誉れ高いハインリヒ7世だった。意気投合した二人は親交を深めていく。当時のイタリアは、各都市で教皇派・皇帝派両者の対立が勃発、混乱を極めていた。ダンテは皇帝にイタリアを統一してもらうため、ローマでの戴冠、そしてフィレンツェへの進軍を勧める。しかし、皇帝は志半ばで病に倒れてしまう。失意のダンテは、皇帝の命が尽きた地であるピサの大聖堂に霊廟を作らせた。主の身許のすぐ下に皇帝至上という危険な思想をその意匠に忍ばせて。チェーザレは教会側の人間ながらイタリア統一という理想を描いて戦ったハインリヒ7世に同調している自分に気付く。教皇派と皇帝派。何が正しく何が間違っているのか。理想の統治者と現実の政治にチェーザレは思いを巡らせる。暗殺者からチェーザレをかばい負傷したアンジェロの傷も癒えたある日、チェーザレはアンジェロが自分の書庫を自由に使えるようにと鍵を渡す。それは彼なりの信頼の表れだった。そんな中チェーザレはロレンツォから、1月にフィレンツェで開かれるレコンキスタ終結の祝祭に招待された。同行者はピサ大司教ラファエーレ。彼とロレンツォはパッツィ家の陰謀事件による遺恨を抱える間柄だが、両者が手を結ばなければトスカーナは、フランスをはじめとする北方の脅威に対抗することはできない。両者の間を確固たるものにするのがチェーザレの役目。そして、イタリアの未来を担う会談の日が迫っていた。

Virtu54 聖夜
Virtu55 問う者
Virtu56 二つの太陽
Virtu57 カノッサ
Virtu58 向かい合う者
Virtu59 王座に座る者
Virtu60 神の望むもの
Virtu61 機知(サジェッツァ)と精神(ヴァローレ)

チェーザレ 8

まだ青白い夜明けの月が残る頃、遠くスペインの地では歴史的な瞬間が訪れようとしていた。イベリア半島最後のイスラム王国の首都グラナダが陥落。アラゴンとカスティリャ両国王はアルハンブラ宮殿の鍵をグラナダ国王から受け取った。これにより約800年の長きにわたるキリスト教国によるレコンキスタ(国土回復運動)が終結した。その知らせは瞬く間に広がり、各地で祝いの宴が開かれ、チェーザレ達もピサで祝杯をあげる。だが内乱終結によるスペインの強化は隣国フランスの若き王の野心にさらに火をつけ、スペイン国内のユダヤ人にとっては新たな脅威の始まりを予感させた。そしてチェーザレはロレンツォ・デ・メディチからフィレンツェでの祝祭の来賓に招かれ、ピサ大司教ラファエーレ・リアーリオとともにピサを出発した。表向きはキリスト教国の勝利を祝う祭典。その真の目的は、14年前の事件以来、遺恨が残るピサ大司教とロレンツォの二人を和睦させること。パッツィ家の陰謀と呼ばれるその事件で、ロレンツォの弟は暗殺された。黒幕はメディチ失脚を狙う当時の教皇一派。その差し金でライバルのパッツィ家が動き、ピサ大司教はその首謀者一派の重要人物だった。メディチ低の美術品の数々が因縁の二人の心を解きほぐしていく中、ロレンツォは過去の事件の真実を語る。弟の死後、自身も時の教皇に命を狙われながら、単身敵地ナポリに乗り込み、ナポリ王をその機智と勇気で説得し、敵対するナポリとミラノを結びつけたこと。この時成立した三国同盟がその後のイタリア半島の平和を支えてきた。だがその平和の支柱ともいえるロレンツォの体を病魔が蝕み、崩壊寸前なことにチェーザレは気づく。フィレンツェ内部でもメディチを批判する声が新たなカリスマ、サヴォナローラを中心に静かに勢力を増していた。さらに追い打ちをかけるようにピサ大司教から明かされたのはナポリが裏切り、再び教皇庁と同盟を結んだという事実だった。死期が迫る教皇はその最後の力を振り絞り、イタリア半島での自身の勢力を拡大させるため、イタリアを絶妙な均衡で支えるこの同盟を崩す機を狙っていた。その背後には過去の陰惨な事件の本当の黒幕、そしてボルジア家の最大のライバル、ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレがいた。スペイン、フランス、そしてイタリア内部の列強。それぞれの思惑が絡み合い動き出した世界。最強の同盟が崩壊しようとする中、中世最大の転換期1492年が幕を開けた。

Virtu62 1492年
Virtu63 星の下で
Virtu64 フィレンツェ1
Virtu65 フィレンツェ2
Virtu66 遭遇
Virtu67 ニュクス―夜の女神―
Virtu68 パッツィ家の陰謀
Virtu69 闇に潜む者
Virtu70 掌の中
Virtu71 祝祭

チェーザレ 9

1492年1月。メディチ低でのレコンキスタ終結を祝う晩餐は、過去の清算と新たな脅威の確認で幕を閉じた。教皇の体調を誰よりも知るジュリアーノ・デッラ・ローヴェレが、ついに動き出し、停戦したばかりのナポリと、急ぎ同盟締結を画策しているという。この逆転劇が意味するのは、イタリアの平和を支え続けた三国同盟(ナポリ、フィレンツェ、ミラノ)が終結すること。さらには教皇の死期が限りなく近いということである。次期教皇選に向けて、宿敵ジュリアーノが先手を打った。ボルジア、メディチ、リアーリオの3家は結束を強め、互いに協力することを確認した。緊急招集を受けてローマへ戻るリアーリオ枢機卿を送り出したチェーザレは、ロレンツォ・デ・メディチに、彼の病状が悪化していることに気づいていたことを明かす。ロレンツォがピサに放った密偵、マキァヴェッリと通じていたからだ。ロレンツォの最大の希望は、自分が存命の間に何とか息子ジョヴァンニの枢機卿就任を実現させること。13年前からの悲願である。だが、教皇庁とナポリの同盟が実現すれば、すべてがひっくり返り、ジョヴァンニの枢機卿内定も白紙に戻るかもしれない。それを防ぐため、一時的とはいえメディチはジュリアーノを支持、すなわち反ボルジアにまわる可能性がある。それに気づいたチェーザレは父に急ぎ手紙を送った。三国同盟消滅の報は瞬く間に半島中に広がった。カテリーナ・スフォルツァは冷静な反応で、ミラノの叔父ルドヴィーゴではなくロレンツォを支持すると伝えてきた。だがナポリと教皇庁の同盟にフィレンツェが加担する最大の問題は、孤立したミラノが反ナポリのフランスに接近することだった。これによりイタリアを再び戦火が襲うことになる。事実、ルドヴィーゴは早くも戦争に向けて準備を始めていた。それを防ぐ唯一の手は、ジョヴァンニの枢機卿就任を早期に実現すること。その条件はジョヴァンニがピエンツァ大学ピサ校の教授資格認定試験(実質的な卒業試験)へ合格することだ。ローマではロドリーゴとリアーリオ枢機卿がそのための施策を練る。リアーリオ枢機卿が選んだ試験官の一人はパンプローナ司教チェーザレ・ボルジア。メディチ、ボルジア、そして次の教皇選の命運を握る最終試験がはじまる。

Virtu72 ローマの娘
Virtu73 波乱の幕開け
Virtu74 ヴァティカンの住人
Virtu75 飛び火
Virtu76 試される時
Virtu77 聖と俗
Virtu78 次世代たちへ
Virtu79 進むべき道
Virtu80 道標
Virtu81 決意

チェーザレ 10

1492年2月1日。サピエンツァ大学ピサ校において、ジョヴァンニ・デ・メディチは教授資格認定試験(実質的な卒業試験)に合格。ピサ大司教、リアーリオ枢機卿に学位を認められた。試験官の一人としてパンプローナ司教、チェーザレ・ボルジアが立ち会ったこの試験に合格することは、枢機卿就任のための条件でもあった。教皇の死期が迫るなか、次期教皇の座を狙うジュリアーノ・デッラ・ローヴェレの主導で、教皇庁はナポリと同盟を締結。イタリアの平和を支え続けた三国同盟(ナポリ、フィレンツェ、ミラノ)消滅の報が各国を駆け巡る。ふたたびフィレンツェが教皇庁と緊張状態に陥れば、悲願であるジョヴァンニの枢機卿就任が危ぶまれる。このためロレンツォ・デ・メディチがジュリアーノを支持、反ボルジアにまわる惧れも生じた。ナポリと教皇庁の同盟にフィレンツェが加われば、孤立したミラノはナポリを狙う背後のフランスと結び、イタリアは戦火に包まれる可能性が生じる。かねて子のチェーザレからフィレンツェの事情を手紙で伝えられていたローマのロドリーゴにとっては、ジョヴァンニの枢機卿就任は早期に成し遂げねばならぬものだった。ジョヴァンニの戴帽式は、故郷フィレンツェの郊外、フィエーゾレ大修道院で執り行われた。かつて教皇庁に破門されたフィレンツェに誕生した初の枢機卿を祝う歓喜の声が、朝からの雨にもかかわらず、市庁舎前の広場にこだまする。だがこの日を最も待ちわびたはずのロレンツォが、その光景を見ることはなかった。病魔に侵され、床に臥すロレンツォに残された時間はあとわずか。枢機卿を輩出したことで名門意識を強くする長男のピエロ。一方、枢機卿就任に異を唱えるドメニコ会のサヴォナローラ。自らの死後を案じるロレンツォは、たとえばピエロが失態を犯そうとも、兄弟の契りだけは絶ってはならないとジョヴァンニに告げる。ピサでの学園生活を終えたチェーザレたちは、それぞれの舞台に歩みを進める。チェーザレはピサで父を支え、新たな時代を切り拓くために動き出す。アンジェロは、教皇庁に赴くジョヴァンニの供としてローマに。そこは、各国の思惑と教会内の権力闘争が複雑に絡み合う、政治の、そして歴史の焦点ともいうべき地であった。

Virtu82 とある雪の日
Virtu83 卒業
Virtu84 卒業2
Virtu85 卒業3
Virtu86 春の訪れ
Virtu87 道標 波光
Virtu88 風の中で
Virtu89 空と海と
Virtu90 若き担い手たち
Virtu91 新たなる旅立ち

チェーザレ 11

1492年3月22日。フィレンツェ郊外のフィエーゾレ大修道院で枢機卿位に就いたジョヴァンニ・デ・メディチはローマに到着。教皇インノケンティウス8世に拝謁するとともに、次期教皇を狙うロドリーゴ・ボルジア枢機卿をはじめとするボルジア派の枢機卿とも親しく接する機会を得る。だがフィレンツェで病床にある父、ロレンツォ・デ・メディチの容態は、日を追うごとに悪化していた。4月8日未明、ロレンツォ逝去。イタリアの各都市に動揺が広がるなか、悲嘆にくれ狼狽するジョヴァンニにロドリーゴは、自らの向上に努め、フィレンツェ共和国教皇特使になることこそが父の弔いになるのだと励ますのだった。一方、ロレンツォの弔問に訪れたチェーザレ・ボルジアは、メディチ家の新当主でジョヴァンニの兄でもあるピエロ・デ・メディチから三国同盟解消の意向を伝えられる。ナポリとミラノの仲を取り持ち、調整役を務めてきたロレンツォ亡き今、ピエロにこれを維持する力はなく、ルドヴィーゴ・スフォルツァが僭主であり続けるミラノに将来の展望も見いだせないことから、フィレンツェはミラノとの関係を終わらせ、ナポリとの二国間同盟を図るしかないのだと。しかし、ナポリはジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ枢機卿と通じており、この決断は教皇選でミラノ派を取り込もうとするボルジアとフィレンツェとの関係の終焉を意味していた。5月20日、教皇特使の任命を受けたジョヴァンニはフィレンツェに帰国。供として帰郷したアンジェロはチェーザレの側近ミゲルと再会し、サン・マルコ修道院長ジローラモ・サヴォナローラの影響力が増し、メディチ家の力が衰退していることを知る。夏を迎えたローマ。ロドリーゴとローヴェレの対立は、教皇崩御に際して市街に騒乱が起きた場合、教皇庁内の聖具や聖職者たちを守る最後の砦となるサンタンジェロ城の鍵の保管を巡り掴み合いの争いを演じるまでに激化していた。そして、教皇インノケンティウス8世危篤。教皇選が迫るなか、チェーザレはピエンツァの別荘を離れ、シエナのピッコロミニ邸を訪れていた。ヴェネツィア軍の総司令官を務める一族、マントヴァのゴンザーガ家の次男、ジョヴァンニ・ゴンザーガと会うためであった。

Virtu92 永遠の都
Virtu93 巨星墜つ
Virtu94 次世代たち
Virtu95 帰郷
Virtu96 宴

チェーザレ 12

1492年7月17日、教皇インノケンティウス8世危篤。教皇庁が機能不全を起こすなか、ミラノはガレー船25隻からなる艦隊をナポリはオルシーニ家による軍隊をローマに派遣。さらにロレンツォ・デ・メディチの後を継いだ長男ピエロによってフィレンツェがミラノとの同盟を解消、ナポリとの共闘を宣言すると、政情不安に陥ったローマの治安は急激に悪化した。チェーザレはシエナでヴェネツィア軍の総司令官を務める一族、マントヴァのゴンザーガ家の次男、ジョヴァンニ・ゴンザーガに接近。三国同盟の解消によりローマとナポリの関係は修復されており、もしローヴェレが次期教皇となれば、教皇庁の軍事はヴェネツィアからナポリのものになるとの考えを伝え、招かれたマントヴァでは来たる教皇選に向けてローマに向かうヴェネツィアのマッフェオ・ゲラルディと親しく話す機会を得る。7月25日、インノケンティウス8世崩御。8月6日、教皇選開始。枢機卿23人と、それぞれに世話役としての付き人2人ずつ、ほかに事務方の者、計80人もの人間がシスティーナ大礼拝堂、小礼拝堂を含む5つの部屋に教皇選出まで閉じ込められる。ローヴェレを支持するナポリとの同盟を選んだ兄、ピエロとフィレンツェの行く末を背負い、ロドリーゴ・ボルジアと対立する立場となったジョヴァンニ・デ・メディチもアンジェロとこの中にいた。8月8日、教皇選第1回投票。教皇代理となったラファエーレ・リアーリオ、枢機卿団長ロドリーゴ、司教枢機卿長アスカーニオ・スフォルツァが進行する中、枢機卿は投票用紙に3名までを記入し、3分の2以上の得票を得た者が新教皇となる。最多得票はオリヴィエロ・カラーファの9票。8月9日、教皇選第2回投票。最多得票はカラーファの9票、次点はボルジアの8票、さらにジョヴァンニ・ミキエルの7票。第3回投票を前に枢機卿たちの駆け引きは激しくなっていく。マントヴァでチェーザレは語る。「枢機卿であるうちは所詮、人間。教皇に選ばれてこそ枢機卿は『イエスの代理人』となるのだ」。父ロドリーゴが教皇となったとき、「教皇庁をぶっ壊す」と。

Virtu97 決断の時
Virtu98 召集
Virtu99 教皇選1
Virtu100 教皇選2
Virtu101 票の行方

チェーザレ 13

いよいよ教皇選が始まった。投票回数を重ねるごとに裏取引は激化し、派閥の動きも混迷を極める。父・ロドリーゴが新教皇になったらどうするかと問われると、「教皇庁をぶっ壊す」と宣言するチェーザレ。最後に神の啓示ともいえる奇蹟の満場一致となった教皇選にはカラクリがあった。それは他でもない、チェーザレによって謀られたものだった。

Virtu102 談合
Virtu103 ヴァチカンの朝
Virtu104 教皇誕生
Virtu105 策略
Virtu106 再会

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